不動産物件を本格的に探し始める前に、まずは格安で良い不動産会社を見つける事が重要です。
何故なら、あまり知られていない事実かもしれませんが、不動産の売買仲介手数料は一律ではないからです。
この記事では、仲介手数料の計算例や格安不動産会社のメリットやデメリット、実際に手数料半額で中古マンションを購入した筆者の体験談について書いています。
不動産売買仲介手数料について
決まっているのは「上限」だけ
宅地建物取引業法によって決まっているのは、仲介手数料の「上限」だけ。
つまり、値引きならばいくらでもできるのです。
しかし、ほとんどの不動産会社では、当然の様に上限額を請求される事でしょう。
売買仲介手数料を計算してみる
不動産売買仲介手数料の上限は、
で計算されます。
厳密には200万円以下と400万円以下の部分は計算が異なるのですが、この場では400万円以上であると仮定して話を進めます。
例えば物件価格2000万円の場合、仲介手数料の上限は、
となります。
物件価格3000万円の場合はおよそ100万円、4000万円ならおよそ130万円。
想像よりも、大きな金額だったのではないでしょうか。
格安不動産会社はこんなにお得!
仲介手数料半額や無料の場合を計算してみる
さて、繰り返しになりますが、不動産売買仲介手数料には上限が決まっているだけで、下限はありません。
売買仲介手数料について目立つように書いていない不動産会社さんでは、ほぼ間違いなく上限の仲介手数料を請求される事でしょう。
先ほどの2000万円の物件を例にとってみると、
となります。
同じものを買うのに、数十万~数百万円も多く支払いたいと思う人はいないでしょう。
これで、不動産会社選びが重要である理由がお分かり頂けたかと思います。
これだけの金額を一気に節約できるチャンスは、日常生活で滅多に無いですよね。
どうして仲介手数料無料にできるのか
両手取引と片手取引とは
不動産取引には、その不動産業者が物件を所持している場合を除き、必ず売り手側と買い手側が存在します。
不動産業者さんは、その二者の取引を仲介しているだけ。
業界用語になりますが、売り手側と買い手側の両者共に一つの不動産会社が仲介を行う場合を「両手取引」と呼んでいます。
逆に、売り手側と買い手側のどちらかだけを仲介する場合は、「片手取引」と呼んでいます。
無料でも売主側から仲介手数料がもらえるから商売になる
両手取引の場合は、先ほど説明した売買仲介手数料を、売主側と買主側の両者から貰う事ができます。
つまり、買主側の仲介手数料を無料にしても、売主側からの手数料を上限まで貰っていれば、十分商売になるという仕組みなのです。
仲介手数料無料と聞くと、他に何かの名目で料金を請求されるのでは? と、何となく怪しい感じがするかもしれません。
でもご安心ください。
商店が値下げで客を呼ぶ様に、仲介手数料を値下げする事も、不動産業者にとって真っ当な営業方法なのです。
仲介手数料格安物件のデメリット
仲介手数料無料物件は限られている
仲介手数料が無料にまでなる条件は、両手取引が成立した場合のみ。
片手取引では、絶対に仲介手数料無料にはなりません。
そんな事をしたら、完全に儲けが無くなってしまいますからね。
仲介手数料無料を謳っている不動産会社さんでも、全ての物件が手数料無料ではなく、両手取引が成立した場合のみ無料となっているはずです。
それ以外の場合は、手数料半額になるケースが多いでしょう。
「基本的に手数料は半額。無料だったらラッキー」ぐらいに考えている方が、現実的だと思います。
手数料割引の不動産業者自体がそんなに多くない
「仲介手数料無料 売買」+「引っ越し先の都道府県名」辺りで検索してみると、いくつかの仲介手数料無料の不動産会社がヒットすると思います。
ただ、東京都や大阪府などの大都市圏では結構な数がヒットしますが、地方へ行けば行くほど、その数はどうしても少なくなってしまいます。
この辺りは、儲けを減らした分だけ数を売らなければいけないので、仕方のない部分かもしれません。
比較的担当エリアが狭い
大手の不動産会社は、まず手数料無料や半額で販売することはありません。
そんな事をしなくても、沢山のお客様が来てくれますからね。
なので、手数料無料や半額を謳っているのは、必然的にやや小規模の不動産会社が多くなってしまい、担当エリアも狭くなるケースが多いです。
筆者の体験談
最初は、仲介手数料についての知識が無かった
筆者が大阪府で中古マンションを探し始めた当初は、普通に大手の有名な不動産会社で物件を探していました。
仲介手数料無料や半額の不動産会社があるなんて、知らなかったですからね。
しかし、何かの偶然で仲介手数料無料や半額の不動産業者さんの存在を知り、数件の不動産業者さんとコンタクトを取ってみました。
中には頼りない不動産業者さんも
電話や実際の物件内覧などで、その不動産業者さんの特徴が見えてきます。
ある個人営業の業者さんは、忙しすぎるのか、連絡や内覧日程が延び延びに。
不動産売買は、早い者勝ちの面がありますので、フットワークが重い業者さんは論外です。
物件の提案も、ほとんどありませんでした。
また、ある業者さんは手数料無料の看板をエサにして、手数料高めの物件ばかり紹介しているのが見え見えと、本末転倒な状態。
ついに良い不動産業者さんに巡り合う!
仕事ができる人って、口調や態度で何となく分かりますよね。
きちんと、仲介手数料無料物件と半額物件の違いを説明してくれました。
この業者さんも規模は小さいのですが、その担当者さん個人の能力が高いのか、問い合わせや物件内覧予約の対応が迅速でした。
不動産業者さんの重要な仕事の一つに、売主側との価格交渉があるのですが、この人になら任せても大丈夫だろうと思えました。
どの業界でも同じでしょうが、やはり会社の規模よりも、その人個人の能力って大事ですよね。
仲介手数料半額で中古マンション無事購入
この不動産業者さんに出会ってから、やっと本当の物件探しが始まったと言えるでしょう。
筆者は最終的に、この業者さんから、仲介手数料半額で中古マンションを満足のいく価格で購入する事ができました。
まとめ
ここまでお読み頂き、ありがとうございます。
不動産の売買仲介手数料は一律ではない──
この情報を知っているか知らないかだけで、数十万~数百万円の損得が発生するのです。
不動産売買では、数千万円のお金が動きます。
すると、数万円~数十万円のお金の動きには不思議と無頓着になってしまうもの。
日々の買い物などで少しずつ節約するのも大事ですが、大きな買い物をする時こそ、大きく節約してしまいましょう。